ペルノばんざい!! | ANNEX・千夜一酒館

ペルノばんざい!!

きょう、楽天市場で購入したリキュール類が届いた。
その中から、きょう最もオドロいたお酒が「ペルノ」。
おフランス生まれでペルノーともいうこのお酒、
グラスに注ぐときれいな黄緑色。
しかし、その香りが強烈なのだ。
「アニス」という甘草(リコリス)の仲間のハーブが
主成分だそうだが、これが非常に「クサい」。

その香りをなんにたとえればいいだろう。
歯磨き粉、胃薬、うがい薬、整髪料、機械油…
実は、そのどれでもないのだが
(殺虫剤と表現しているサイトもあった)。
なんだか嗅いだことのある香りなのだが、説明しづらい。
それなのに、飲みたくなるのだ。
「臭いぞ臭いぞクセになる」といったのは
ネプチューンのホリケンであるが、まさにそれである。

そしてハーブのせいだろうか、舌に残るしびれ。
ウナギの蒲焼きに山椒をかけすぎて
舌がジンジンした経験をお持ちの方は多いと思うが
まさにあの「ジンジン」である。
そのしびれが、気持ちいい。
「ああ俺は体に悪いものを飲んでいるな」という、ハミダシ感がたまらない。
実際には薬効成分もあり、
薬として飲まれていたこともあるようなので
毒ではないはずなのだが…。

ただ、その起源が面白い。
原料のニガヨモギに含まれるツヨンという成分のせいで
精神に異常を来す者が続出したといわれる伝説の酒、アブサン
(現在販売されているものは毒性のある成分は除去されている)。

その代用としてうまれたのが、
甘草を主成分とするパスティス。
ペルノはパスティスの一種である
(EUの規定ではペルノはパスティスにはならないそうだが)。

そんな背景を持つ酒を飲む「後ろめたさ」も、
このペルノの魅力を増すのに一役買っているのだろう。

水を加えるとあ~ら不思議、白濁するのだが、
個人的に水割りは(ウィスキーでも焼酎でもなんでも)あまり好まないので
ストレートでいただく。
なんだかうまい「歯磨き酒」の世界に、今夜はどっぷりつかりたい。