カクテルの王様! | ANNEX・千夜一酒館

カクテルの王様!

カクテルの王様といえば、なんといっても「マティーニ」であろう。

しかしマティーニはカクテルの王道から外れたものであることも

ご存じの方は多いと思う。


カクテルは普通、「スピリッツ+リキュール」もしくは「スピリッツ+ソフトドリンク」の処方で

作られるものであるが、マティーニの原材料は主に

「ジン」と「ドライベルモット」である。


ジンはもちろん、ベルモットも白ワインの一種であり、スピリッツである。

基本的にはこの2者をステアして作るのがマティーニであり、

つまりマティーニはスピリッツ同士を混合したものにすぎない。


しかし、である。スピリッツとは言え、ジンとベルモットという、

全く異なる香りと味を持つスピリッツを混合したこのカクテルは、

他のカクテルが持ち得ない「深み」を持つのである。


カクテルはそもそも質の悪い酒の味をごまかすために、

ジュースを混ぜて生まれたものであるといわれる。


しかしマティーニは違う。酒に酒を混ぜている。つまり、ごまかしが利かない。

まずい酒にうまい酒をまぜてもまずいものになる。

酒と酒とのガチンコ勝負だ。


さらに処方の違いによって、色とりどりのさまざまなマティーニが生まれている。

マティーニの名前だけ頂戴した、変種マティーニも数多い。

マティーニがカクテルの王様として君臨しているという証拠だろう。


これからもマティーニはいろいろな形で愛されるであろう。