ANNEX・千夜一酒館 -10ページ目

ヱビスビール超長期熟成

年度末調整で土曜も出社せねばならず、
日本×イラン戦もなぜか見る気が起こらない
(しかもさっきチェックしたらイランに1点入ってた)。

カクテルを作る気も起こらずに、
タブを開けていたのが「ヱビスビール超長期熟成」の缶だった。

高級感を感じさせるまだら模様。値段も少々高い。
だいたい、ヱビスビール自体が贅沢品であるのに、
それに輪をかけて贅沢な品である。
限定醸造なんて書かれたらそりゃ飲みたくもなる。

さて、飲む前からただよう匂いに、おっと思う。
口に入れると舌に広がる芳醇な味わい。
鼻奥に優しく伝わる熟成された香り。

通常のヱビスビールもおいしさは変わらないが、
飲んだ後にかすかに感じる臭みが、
この「超長期熟成」にはない。モワ~と漂う麦の香りと、
フワリとやってくるホップの香りがうれしい。

これはウマイです。
ただ、「発泡酒とかスーパーブルーとかを飲み慣れている」から
激烈にウマく感じるのであって、
恒久的に飲むことはないことを明言しておきます。高いし。

レミーマルタンVSOP

いやー、買っちゃいました。人生初コニャック。
セール中だったので、スーパーでこんにゃくと一緒に買いました(マジ)。
カミュと迷ったけれど、割引率がレミーマルタンのほうがよかった。
隣にはヘネシーがあったけど値段が数倍だったので断念。
思い切ったんだが妥協したんだかよく分かりませんが。

自分的には「破格」なんだけれども、
これがレミーの「普及モデル」というからいやはや。

「サントリーVO」とはやっぱり違いますわね。
VOもフルーティでそこそこうまいですけれど。

なんというか、複雑な味わいなんですね。
ほんまにこれワインを蒸留しただけなんけワレ!
というくらい、なんとも味わい深い。

さらに、飲む前に鼻に到達する香り、
飲んだ後の残り香があってそれぞれが違う。
幾層にも重なった香りのハーモニー。
酒の道の入り口にようやく立たせていただけたという気持ちでいっぱいですハイ。

ま、最も感動しているのは、
「俺は高い酒を飲んでいる」という雰囲気なんだよねー。
(もちろん味に裏打ちされてはいるんだけど)

するめ

 洋酒ばかり飲んでいるわけではなく、甲類焼酎や日本酒、発泡酒や「第3のビール」もいただく。(ほんものビールはあまり飲まない)
 最近妙にはまっているのが「あぶった干しするめ」。日本人なら誰しも口にしたことのある、庶民の味だ。

 あぶったときにあたりを漂う芳香。酒を傍らに、あつあつをちぎって口に放り込み、歯で噛みくだく。舌に旨みがまとわりつき、鼻をくすぐる薫り。
 噛めば噛むほどに味が出る、とは使い古された表現だが、そうとしかいえない。旨みを浸す唾液が口内で泡立ちながら波打つ。あたかもホイップされながら、やがて食道へ。

 じゅうぶん柔らかくなったら、するめを飲み込む。酒でのどをうるおしたあとに口の奥に漂う、磯臭さがたまらない。
 正直これがなければ、するめというものはもっと高いステータスにいられる食品だと思う。でも、この磯臭さがいいのだ。鼻に近づけたときの芳香と、食べた後の磯臭さのギャップが、するめというものの魅力を増している気がする。

ジン・ビターズ

またの名を「ピンク・ジン」。
アンゴスチュラ・ビターズを1ダッシュ入れたグラスに
ジンを注ぎ、ステアしたカクテル。

ビターズをリンス(グラスに振ったビターズを捨てる)にするかしないかで
名前がジン・ビターズかピンク・ジンになるようだが、
レシピ本を見てもその差異はよく分からない。
シェリーグラス(小さくて細いワイングラス)を使うと
「ピンク・ジン」になる、という本もある。

うちにはあいにくシェリーグラスはないので、
適当にオールドファッションドグラスを使用。
ビターズはリンスなんかしない(もったいないもんネ)で
数ダッシュ(10振りくらい)入れ、
プリマス・ジンをドボドボ入れ、ステア。
確かに薄紅色になる。

プリマス特有のホワ~とした香りと、
アンゴスチュラのスパイシーなアローマ
(出た!「香り」と「アローマ」の意味ない使い分け)と苦み。

ジンもビターズも、薬効があると言われるお酒。
なぜこんな強いカクテルを飲んでいるかといえば、
体調が芳しくないからである。
体が痛い、肩が凝る、おなかがグルグル言う。
そこでこのカクテルの薬効に期待してみたのである。

一番いいのは酒を飲まないことだと思うけども。

B-52

なんでこんな名前なんでしょうね(笑)

コーヒーリキュール、ベイリーズアイリッシュクリーム、
オレンジキュラソーを、同量だけグラスに注ぐ。
シェイクしてサーブするのが日本では主流だそうだが
アメリカではプースカフェスタイルで出されるとのこと。

シェイクだと洗い物が増えるので^^;
無精してプースカフェにしてみるのだが、
カルーアとベイリーズは乱暴にやらなければまず混じらないのに、
いつもオレンジキュラソーとベイリーズが混じって失敗する。

道具と技量が悪いのが最大の原因だと思うのだが、
ほかにも原因があるように思う。

ベイリーズとキュラソーが冷えていないのが悪いのか、
キュラソーがグランマニエではなくデカイパーだからか。

まあ、胃腸に入れば同じですからね(身も蓋もないね)。

コーヒー、クリーム、オレンジ。
濃度の高いリキュールだけで構成されているから
多分に甘ったるいけれど、コーヒーも牛乳も子供の嫌いな?もの。
おまけにアルコール。
だからオトナの味ですよ。

スコッチの水割り

スコッチはロックやストレートもいいけど、
水割りのほうが真価を発揮する。特に高い奴は(笑)

そのまんまだとアルコールの刺激臭や、発酵臭がきついのだが、
水で割ったとたん、いろいろな香りが鼻をくすぐるようになる。

「ナッツのような」とか「柑橘類のような」とか
「夏の雨上がりの夕暮れの農道を思わせる」みたいな
田崎真也みたいにウルサい表現はできないけれど、
「はぁ~エエわ~」と素直に思えるいい香り。

今夜はスコッチいかがです? 少っちだけでも。

スクリュードライバー

 これほど「ジュース」なカクテルもあるまい。
 ウォツカとオレンジジュースを割ってステアした、簡単な飲み物だ。その昔にアメリカ人がねじ回し(SCREW DRIVER)でかき混ぜたからこの名が付いたと言われる。
 味は「アルコール臭いオレンジジュース」であり、ソフトドリンク感覚だ。気軽に作れて気軽に飲める。やれシェイカーだのミキシンググラスだのアンゴスチュラビターズ1ダッシュだの細かいことはいいっこなしの手軽さだ。

 ウォツカにはあまりこだわりはない。昔はスミノフとかも飲んでいたが、いまは安く買った「ウヰルキンソン」である。
 鷹揚なるロシア人は酔えればいいだけだから、ウォツカなんて味も素っ気もない酒を呑んでいるのである。それを知っているから、ウヰルキンソンなんていう安物を買っているのだ。めんどうなときには甲類焼酎で代用したりもする。(雰囲気はがた落ちになるが)

 とかいいながら「次はやっぱしスミノフかな」なんて考えたりもする。お酒ってそんな楽しみ方もあるじゃないですか。

サウザ

「エラドゥーラ」「クエルボ」と並び、テキーラの有名銘柄の一つ。
シルバー(いわゆるホワイト)が安く手に入った。
(ショージキ、酒を買いすぎて置く場所ないんスよ>_<)

以前「やまや」で買って飲んだ安物とは大違い。
「テキーラの味」で偉そうにいろいろ書いたけれど、
なんだかホコリ臭く、やっぱり抵抗が少しあった。
告白するがテキーラには手があまり伸びなかった。

だがサウザは違う。口に入れた瞬間、シャープな香りを放ち、
その後ウィスキーを想像させるアロマがひろがる
(香りとアロマ、使い分けた意味はあまりない^^;)。
先にサウザから飲んでおけばよかった、と後悔している。

教訓:はじめて飲むなら有名ブランドで

ボンベイサファイア

 先日、ジンの隠れた人気者、「ボンベイサファイア」を入手。初体験してみた。
 「複雑な味」だと思った。口に入れた瞬間鼻をくすぐる香りには重量感がある。そのあと、ジン特有の爽やかな香味が残る。
 ビフィーターが「スッキリ」ならば、ボンベイサファイアは「がっちり」といったところか。
 マティーニにすると、かなりヘヴィーな味わいになりそうだ。

セックス・オン・ザ・ビーチ

エッチな名前のカクテルとしては
「オーガズム」と双璧を成す。
(次点は「ビトウィーンザシーツ」「スリッパリーニップル」あたりか)

映画「カクテル」で有名になったというこのカクテルだが、
名前に反して、ソフトドリンクを思わせるカジュアルな味わいだ。
いつかの飲み会で興味本位で注文して、
飲んでみたら意外とウマくて記憶に残っていた。

このカクテルは今のところこれという処方が決まっていないようだが、
今回は「リキュールでひけるカクテルの本」(成美堂出版)を参考に
下記の処方で作った。
 メロンリキュール 20ml
 フランボワーズリキュール 10ml
 ウォツカ 15ml
 パイナップルジュース 80ml
以上を氷を入れたグラスでステア。

作ってみると、本の写真のような淡いオレンジ色ではなく、
メロンリキュール(ミドリじゃなくてデカイパー…)の緑色が目立ってしまい、
ニンジャ・タートル」に似てしまった。

色はヘンになってしまったが、
メロン味とパイナップル味をフランボワーズが橋渡しし、
バランスの良い味になった。

このカクテルを作るために、
いちいちフランボワーズリキュール(ラ・カデット)と
パイナップルジュース(ジャスコのトップバリュ)を買ってきてまで
作ったが、その甲斐もあった。

別に浜辺の上でセックスしたいとは思わないが(だって見られるジャン)、
「セックス・オン・ザ・ビーチ」は何度でも飲んでみたいカクテルだ。